General · 4 October 2026
コープさっぽろ、EC・アプリ利用率3倍に 小売DXで顧客体験を刷新
コープさっぽろでネットスーパーなどEC・アプリの利用率が従来の約3倍に拡大。会員制・地域密着型の生協における小売DXの成果として注目されている。
何が起きたのか
北海道を中心に事業を展開する生活協同組合、コープさっぽろにおいて、ネットスーパーをはじめとするEC(電子商取引)およびアプリの利用率が従来の約3倍に拡大したと報じられた。ダイヤモンド・チェーンストアオンラインの特別レポートは、この伸びを同生協が進めてきた小売DX(デジタルトランスフォーメーション)の成果として位置づけている。
地域密着型の生協という業態において、デジタルチャネルの利用がここまで拡大した事例は、同業他社や地域小売業にとっても注目に値する動きといえる。
重要な理由
生協は会員制という特性上、顧客基盤が比較的固定的であり、またその顧客層には高齢層や長年の会員が多く含まれる傾向がある。そうした顧客層においてEC・アプリの利用が大きく伸びたという事実は、単なる新規顧客獲得の話ではなく、既存の信頼関係をデジタル体験へといかに橋渡しできるかという、体験設計上の課題への一つの答えを示している可能性がある。
小売業全体がEC依存度を高める中、地域に根差した事業者がどのようにデジタルチャネルを顧客にとって自然な選択肢として定着させるかは、今後の小売DXを考える上で重要な論点となる。
Renascenceの視点
EC・アプリ利用率が3倍になったという数字そのものよりも注目すべきは、それがどのような顧客層において、どのような体験設計によって実現したのかという点である。生協のような会員制・地域密着型の事業体では、単に便利な機能を追加するだけでなく、既存の信頼関係や日常的な購買習慣とデジタル体験をいかに滑らかに接続するかが成否を分ける。
多くの企業は「デジタル化=新しい顧客の獲得」と捉えがちだが、コープさっぽろの事例が示唆するのは、既存顧客の行動習慣にいかに寄り添い、心理的なハードルを下げてデジタルチャネルへ誘導できるかという、行動経済学的な設計の重要性である。地域密着型の信頼資本を持つ事業者ほど、派手な機能よりも「迷わず使える」「いつもの延長線上にある」体験こそが利用定着を生む。顧客体験責任者は、自社の既存顧客基盤における心理的な移行コストをどう下げるかを、まず問い直すべきだろう。
Sources
This briefing was written by our Newsdesk, synthesising reporting from the outlets below. Follow the links for the original coverage.
FAQ
Questions we get on this topic
Stay ahead of CX
Get the signal, not the noise.
The stories shaping customer experience — plus the Journal and Experience Loom — in your inbox.
