Fintech · 25 August 2026
Rivo、225万ポンド調達 銀行の「慣性課税」解消へ自動口座切替
英フィンテックRivoが225万ポンド(約310万ドル)のプレシード資金を調達し、預金者を自動的に高利回り口座へ移す仕組みで銀行の「慣性課税」構造に挑む。
何が起きたか
英国のフィンテック企業Rivoが、225万ポンド(約310万ドル)規模のプレシード資金調達を完了した。同社は、預金者を自動的により利回りの高い口座へ移し替える仕組みを構築しており、多くの銀行が低金利のまま放置する「慣性課税」とも呼ばれる構造的な問題に対応することを目的としている。
Rivoのサービスは、利用者が自ら口座を切り替える手間を省き、市場でより有利な条件の口座へ資金を自動的に移動させる点が特徴とされる。これは、行動経済学でいう「現状維持バイアス」――一度設定した状態を変えずに放置してしまう傾向――に直接的に働きかける設計である。
なぜ重要か
この資金調達は、金融サービス業界において、顧客の惰性を前提としたビジネスモデルからの転換を示す一つの事例といえる。従来、多くの金融機関は顧客が口座を切り替えない傾向を利用し、低い利回りのまま資金を留め置く構造から利益を得てきた側面があった。Rivoのアプローチは、この構造に対して自動化技術を用いて顧客側に有利な選択を「デフォルト化」する点に意義がある。
体験設計や行動経済学に関わるリーダーにとっては、顧客の「動かない」という行動そのものをプロダクトの前提に据え、能動的な選択を求めずに最適な結果へ導く設計思想が、今後さらに広がる可能性を示す事例として注目される。
数字で見る
- 225万ポンド(約310万ドル)——Rivoが今回完了したプレシード資金調達の総額。
Renascenceの視点
この動きの本質は、単なる金融プロダクトの一つではなく、「顧客が何もしない」という行動そのものを収益源にしてきた業界構造への挑戦にある。多くの企業は顧客の惰性を前提に価格や条件を設計しているが、Rivoのモデルはその前提を逆転させ、惰性を解消することそのものを価値提案としている。
多くの経営者は「顧客がなぜ動かないのか」を心理的な弱さの問題として片づけがちだが、実際には設計側が変化を求める負荷を顧客に押しつけていることが多い。真に顧客志向な事業者は、最適な選択をデフォルトに据え、顧客に「動く努力」を求めない仕組みを自ら構築すべきである。Rivoの資金調達が示すのは、その発想を先に実装した者が新たな市場を切り拓くという、行動経済学とプロダクト設計の交差点にある機会である。
Sources
This briefing was written by our Newsdesk, synthesising reporting from the outlets below. Follow the links for the original coverage.
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