Banking · 9 October 2026
TrueLayer、Pay by Bank拡大へ2,700万ドルを調達
英TrueLayerがCDP Venture Capital主導で2,700万米ドルを調達し、欧州の口座間決済サービス「Pay by Bank」ネットワークの拡大を進める。
何が起きたか
英国のオープンバンキング企業TrueLayerが、2,700万米ドル(約27million)の資金調達を実施した。本ラウンドはイタリアのCDP Venture Capitalが主導し、TrueLayerが欧州全域で展開する「Pay by Bank」の口座間決済(アカウント・トゥ・アカウント決済)ネットワークの拡大に充てられる。
Pay by Bankは、カード決済網を介さずに利用者の銀行口座から直接資金を移動させる決済方式で、TrueLayerはこの仕組みを欧州の加盟店や金融機関に提供してきた。今回の調達により、同社はこのネットワークの地理的・機能的な拡張を進める方針だ。
重要性
口座間決済は、カード会社や従来の決済処理業者を経由しないぶん、加盟店側の決済コストを抑えられる可能性があるうえ、利用者にとっては銀行アプリでの承認のみで完結するシンプルな購買体験を実現しやすい。欧州ではオープンバンキング規制の整備が進んでおり、Pay by Bankのような仕組みが主流の決済手段の一つとして定着しつつある局面にある。
今回の資金調達は、決済インフラを担う企業に対する投資家の関心が、カード中心の決済モデルから口座直結型のモデルへ広がっていることを示す一例といえる。デジタルトランスフォーメーションを進める企業や金融機関にとっては、チェックアウト体験の設計や決済パートナー選定を見直す契機となり得る。
Renascenceの視点
決済手段の裏側の技術論争は利用者には見えにくいが、チェックアウトの数秒間に体感される「摩擦の有無」こそが、どの決済方式が勝ち残るかを決める。Pay by Bankの本質的な競争力は、手数料構造だけでなく、利用者が銀行アプリへ遷移し承認して戻ってくるまでの体験設計にある。
多くの事業者は口座間決済を「カード決済より安い代替手段」としてしか捉えていないが、本当に問われているのは、銀行アプリへの遷移という離脱リスクの高いステップを、どれだけ心理的負荷なく通過させられるかだ。遅延や画面の不一致、承認後の復帰導線の雑さが一つでもあれば、コスト優位性は簡単に相殺される。顧客志向の事業者であれば、Pay by Bank導入を単なる決済手段の追加ではなく、チェックアウト全体のジャーニー再設計の機会として扱うべきだろう。
Sources
This briefing was written by our Newsdesk, synthesising reporting from the outlets below. Follow the links for the original coverage.
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