顧客体験 · 2026年10月5日
Alaska Airlines、会員がマイル積算方式を選択できる新制度導入
Alaska Airlinesはロイヤルティプログラム「Atmos Rewards」で、距離・価格・搭乗区間数のいずれかを会員自身が選んでマイルを積算できる新制度を導入する。
何が起きたか
Alaska Airlinesは、ロイヤルティプログラム「Atmos Rewards」の会員に対し、マイル(ポイント)の積算方法を自分で選べる新たな仕組みを導入する。会員は、飛行距離に基づく積算、搭乗券の価格に基づく積算、あるいは搭乗区間(フライトセグメント)数に基づく積算のいずれかを選択できるようになる。
これにより、短距離を頻繁に利用する会員から、高額なチケットで長距離を移動する会員まで、それぞれの利用実態に合わせてポイント獲得の方式を調整できることになる。これまで多くの航空会社のロイヤルティプログラムは単一の積算ルールを全会員に一律適用してきたが、Alaska Airlinesは個々の会員の旅行パターンに応じた選択の余地を設ける方向に踏み出した。
なぜ重要か
ロイヤルティプログラムは航空業界における顧客維持の中核であり、積算ルールの設計は会員のブランドへの帰属意識や継続利用の動機づけに直結する。画一的なルールのもとでは、自分の旅行スタイルに合わないと感じる会員が離脁しやすくなる一方、選択肢を提供することは「自分に合った価値を得ている」という納得感を生み、心理的なオーナーシップを強める効果が期待できる。
この動きは、航空会社がロイヤルティプログラムを単なる割引施策ではなく、行動データを活用したパーソナライゼーションの実験場として捉え始めていることを示している。今後、他の航空会社や異業種のロイヤルティプログラムにも、会員自身に価値算定ロジックの一部を委ねる設計が広がる可能性がある。
Renascenceの視点
一見シンプルな「選べる積算方式」という機能だが、その本質は顧客に意思決定の主導権を与えることで生まれる納得感と公平感の向上にある。
多くの企業はロイヤルティ制度を「還元率をどう調整するか」という計算の問題として捉えがちだが、実際に顧客が求めているのは「自分の行動が正しく評価されている」という感覚である。Alaska Airlinesの今回の施策は、積算ルールという一見技術的な領域に選択のアーキテクチャを持ち込むことで、会員の納得感と心理的な公平感を高める好例だ。顧客体験に真剣な事業者であれば、割引率そのものよりも、顧客がどのようにルールを理解し、自分で選び、納得するかという設計のほうが、長期的なロイヤルティに効くと考えるべきだろう。
情報源
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