顧客体験 · 2026年9月30日
CarMax、Volkswagen元幹部を新設のCX担当上級職に起用
米中古車大手CarMaxが、Volkswagenの元幹部を新設のカスタマーエクスペリエンス担当上級職に任命し、CXを独立した経営機能として位置づけた。
何が起きたか
米国の中古車大手CarMaxが、Volkswagenの元幹部を新設のカスタマーエクスペリエンス(CX)担当リーダーに任命した。これにより、CXは同社内で初めて独立した上級職として位置づけられることになった。
今回の人事は、単なる役職の追加ではなく、顧客体験を経営上の個別機能として明確に切り出す組織再編の一環と見られる。自動車業界での経験を持つ人物を起用したことは、購入プロセス全体の体験設計を強化する狙いがあることを示している。
なぜ重要か
中古車販売は、価格交渉や信頼性への不安など、顧客にとって心理的負荷の高い購買行動の一つである。CXを専任の経営職として新設することは、こうした摩擦を組織的・継続的に解消していく体制を整えたという意思表示であり、単発の施策ではなく構造的な取り組みへの移行を示唆している。
自動車メーカー出身者の起用は、製造・販売の現場感覚をリテール体験の設計に持ち込む狙いがあると考えられる。これは、業界を越えた人材が顧客体験部門を率いるケースが増えている潮流とも一致し、CXが専門性を要する独立した経営機能として認識され始めていることを裏づけている。
Renascenceの見解
多くの企業がCXを「既存部門への追加業務」として扱う中、専任の上級職を新設するという判断そのものに意味がある。これは体験を測定・改善し続けるための権限と予算を、組織内に恒常的に確保する動きだと言える。
見落とされがちなのは、役職を新設すること自体が目的ではなく、その役職に「顧客体験に関する意思決定権」がどこまで与えられるかが本質だという点だ。CXリーダーが単なる調整役に留まるのか、価格戦略や店舗設計、デジタル接点にまで影響力を持つのかで、成果は大きく変わる。顧客志向を掲げる企業は、肩書きの新設と同時に、その役職がどの予算・どの意思決定に関与できるのかを明文化すべきだ。
情報源
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