一般 · 2026年9月10日
データドリブン・カスタマージャーニー、電通クロスブレインが新手法開発
電通グループの電通クロスブレインが、仮説に頼らずデータそのものから顧客体験の道筋を導き出す新手法「データドリブン・カスタマージャーニー」を開発した。顧客接点データの分析から行動パターンや意思決定の分岐点を可視化し、ジャーニー設計に活用する仕組みという。
何が起きたか
電通グループのデータマーケティング会社である電通クロスブレインが、仮説を起点とせずデータそのものから顧客体験の道筋を導き出す新手法「データドリブン・カスタマージャーニー」を開発したと発表した。従来のカスタマージャーニーマップ作成の多くは、マーケターや担当者が立てた仮説をもとに顧客の行動や心理を推測して構築されてきたが、同社はこのアプローチを転換し、保有データを起点にジャーニーそのものを浮かび上がらせる手法を打ち出した。
この手法は、企業が持つ顧客接点データを分析することで、実際の行動パターンや意思決定の分岐点を可視化し、そこから顧客体験設計に活用できるジャーニー像を組み立てる仕組みとされる。仮説先行型の設計プロセスを見直す動きとして位置づけられている。
なぜ重要か
カスタマージャーニーマップは、多くの企業でCX戦略やサービス設計の出発点として使われてきたが、その精度は担当者の経験や思い込みに大きく依存してきた側面がある。データを起点にジャーニーを導き出す手法が定着すれば、顧客理解の属人性を減らし、より実態に即した体験設計が可能になる可能性がある。
特に、複数のチャネルやタッチポイントを横断してデータが蓄積されている企業にとっては、仮説検証に費やす時間やコストを圧縮しつつ、見落とされていた顧客行動の分岐点を発見できる点が意味を持つ。CXやマーケティングの意思決定を、勘や経験則からデータエビデンスへと徐々にシフトさせる動きの一例と言える。
Renascenceの視点
ジャーニーマップが機能不全に陥る最大の理由は、手法の巧拙よりも「誰の仮説を反映しているか」という出発点にあることが多い。データドリブン型への移行は、この属人性の問題に一つの答えを示すが、同時に新たな注意点も生む。
データから導き出されたジャーニーであっても、それは「取得できたデータ」の範囲でしか顧客を映し出さない。仮説バイアスをデータバイアスに置き換えただけでは意味がなく、重要なのはどのデータが欠落しているか、どの顧客セグメントが可視化されていないかを常に問い続ける姿勢だ。真に顧客中心的な組織は、データドリブンな発見を鵜呑みにせず、現場の定性的な観察と突き合わせて検証するプロセスを併せ持つべきである。
情報源
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