一般 · 2026年9月7日
ヤプリ、アルペンにCXとEX両立の基盤を提供
ノーコードアプリ企業ヤプリが、スポーツ用品大手アルペンに顧客体験と従業員体験を一体で支えるプラットフォームを提供することが適時開示で明らかになった。
何が起きたか
ノーコードアプリプラットフォームを提供するヤプリが、スポーツ用品大手のアルペンに対し、顧客体験(CX)と従業員体験(EX)の両方を支える基盤としてそのプラットフォームを提供することが明らかになった。今回の発表は適時開示として公表されており、アルペンがヤプリの技術を採用し、顧客向けと従業員向けの双方の体験基盤として活用する体制を構築したことを示している。
公表された情報からは、具体的な提供開始時期や機能の詳細、契約規模までは明らかにされていないが、小売・アパレル分野で顧客接点のデジタル化を進めてきたヤプリが、単なる顧客向けアプリ提供にとどまらず、従業員体験の領域にもプラットフォームの適用範囲を広げている点が特徴といえる。
なぜ重要か
顧客体験と従業員体験を同一の基盤上で扱う発想は、フロントラインの店舗スタッフが顧客対応で得た知見や現場の負荷を、そのままアプリという共通のインターフェースで吸収できる可能性を示す。特に店舗を多数展開する小売業においては、顧客向けアプリと従業員向けツールを別々のシステムで運用するコストや情報の分断が長年の課題であり、両者を一体化した基盤で運用できることは、意思決定のスピードや現場対応力に直結しうる。
デジタル変革の観点では、これは「顧客接点のデジタル化」から一歩進んで、「組織全体の体験設計」へとノーコードプラットフォームの適用範囲が広がっていることを示す事例でもある。CXとEXを分断せずに捉える企業が増えていくとすれば、アプリ基盤の選定は単なるITツールの選定ではなく、組織文化やオペレーションモデルそのものに関わる意思決定になっていく可能性がある。
Renascenceの視点
顧客体験と従業員体験を同じ基盤で支えるという発想自体は、目新しいものではないが、多くの企業が実践できていないのが実情だ。両者を分けて考えることで生じる非効率や情報の断絶は、現場のスタッフが最初に気づく問題であることが多い。
顧客体験の改善を語る企業の多くが、実はその裏側にいる従業員の体験を後回しにしている。アプリという一つの基盤で両者をつなぐという今回のような動きは、体験設計における「表と裏を分けない」という原則を体現するものだ。真に顧客志向を掲げる組織であれば、次に問うべきは、店舗スタッフが顧客対応の現場で得た気づきを、どれだけ早く経営や商品企画に還流できる仕組みになっているか、という点である。
情報源
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