銀行 · 2026年8月9日
ファーストバンク、ユーロマネー賞のコーポレートバンキング部門と顧客体験部門を受賞
ナイジェリアのファーストバンクは、ユーロマネー2024年度優秀賞において「顧客体験」部門と「コーポレートバンキング」部門の2部門を受賞した。アフリカの金融機関としては異例のダブル受賞となった。
何が起こったか
ナイジェリアのFirstBank(ファーストバンク・オブ・ナイジェリア)が、Euromoney誌が選出する「2024年 Awards for Excellence」において、カスタマーエクスペリエンス部門とコーポレートバンキング部門の2部門で受賞したと報じられた。アフリカの金融機関がこの2部門を同時に受賞するのは異例であり、地域の銀行業界においても注目される成果となっている。
Euromoneyのアワードは、世界の銀行・金融機関の経営実績やサービス品質を評価する国際的な指標として知られており、コーポレートバンキング部門では法人顧客向けサービスの総合力、カスタマーエクスペリエンス部門では顧客対応やサービス設計の質が審査対象とされる。今回の受賞は、同行が法人取引の専門性と顧客体験の両面で高い評価を得たことを示すものとなる。
なぜ重要か
コーポレートバンキングとカスタマーエクスペリエンスという、しばしば別々に語られがちな2つの評価軸を同一機関が同時に獲得した点は、サービス設計の観点から意味を持つ。法人向け金融サービスは複雑な手続きやリレーションシップ管理が中心となりがちで、体験の質が二次的に扱われることが少なくない。両部門での受賞は、複雑な業務プロセスの中でも一貫した顧客対応を実現できることを示す一例といえる。
行動経済学の観点では、法人顧客であっても最終的な意思決定者は個人であり、手続きの分かりやすさや対応の迅速さといった「体験の摩擦」の少なさが、取引継続やロイヤルティに直結する。今回の受賞は、金融機関が業務効率と顧客体験を対立軸ではなく統合的な課題として扱う動きが評価される潮流を示している。
Renascenceの視点
アワード受賞そのものは単発の出来事だが、その背景にある設計思想は業界全体にとって参考になる。特に、法人取引という「機能的で感情が介在しにくい」領域でも体験評価が可能であることは、体験設計の適用範囲を再考させる材料となる。
多くの銀行はコーポレートバンキングを「機能」として捉え、カスタマーエクスペリエンスは個人顧客向けの取り組みと切り分けてしまう。しかし法人担当者もまた、遅い返信や不透明な手続きに苛立つ「人間」であることを忘れてはならない。今回のような二部門同時受賞が示すのは、体験設計を全社的な文化として根付かせた組織ほど、部門を横断して評価される可能性が高いという点だ。MENA地域の金融機関にとっても、法人向けサービスにおける体験の摩擦削減は、次の差別化要因になり得る。
情報源
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